アクティブシニアのためのおげんきnet
トップへ戻る

1932年青森県生まれ。
1964年、イタリア・キロメーターランセに日本人として初めて参加。時速172.084kmの世界新記録を樹立する。1966年富士山直滑降。1970年エベレスト・サウスコル8000m世界最高地点スキー滑走(ギネスブック掲載)を成し遂げ、その記録映画「THE MAN WHO SKIED DOWN EVEREST」(エベレストを滑った男)はアカデミー賞を受賞。1985年世界七大陸のスキー滑降を完全達成。2003年、70歳7ヵ月の世界再高年齢でエベレストの登頂に成功。

 

エベレストに登頂してから、みなさんによく聞かれるんですが、実は我が家は遺伝子的にそう長寿というわけではないんです。家系をみても心臓の病気にかかりやすいですし、僕も小さい頃から病気がちで長期間入院していたこともありました。ではなぜ今、こんなに元気なんだろうと考えてみると、それはきっと夢を持っているからだと思うんです。人生、いくつになっても何かしたいという夢があると、とんでもない力が出せるんです。
 僕の“70歳でエベレスト登頂”という夢もそうでしたけど、親父の“99歳でモンブラン滑降”も、世間的にみると「その歳でとんでもない」とか「なにかあったらどうするつもりか」といわれるもの
  ですよね。でも、夢は大きいほど、人生も大きく豊かに変わってくるんです。若い時は誰でも『死んでもいい』と思って一生懸命やる時があります。それがだんだん歳をとると、人生の目標がなくなってしまう。でも、『これができたら死んでもいい』と思える夢があれば、人生いつまでも青春です。そういう意味では夢がなければ、父も僕もふつうのおじいさんになっていたと思います。
 人はいくつになっても夢をみることができます。フルマラソン完走でも、ゴルフを続けることでもいい。みなさんも歳だからとあきらめず、いつまでも夢を持ち続けてほしいと思います。

勇気というものは最後に出せばいいものです。それまでしっかりトレーニングして、易しいことを何回もくり返して…。そういう小さなことのくり返しが自分の可能性をひろげて、結果的に最後の勇気を生み出してくれる。
 僕がエベレストに登ろうと決意したのは65歳。この時は本当に生活習慣病寸前で、病院のあらゆる検査でひっかかり、入院しなさいといわれるギリギリのところだったんです。それで、「病院に入って死ぬくらいならエベレストで死んだほうがマシだ」と思って、病院へ行
  くかわりに山へ行くことにしたんです。すると、最初は自宅の裏山の藻岩山(標高531メートル)にも登れないくらい体力が落ちていた。でも、エベレスト登頂の夢を持ち、日常的にトレーニングをするようになると、驚くくらい体力がつき、病気も治ってしまっていたんです。肉体的にも精神的にも、65歳の時よりもずっと健康で若くなっていたと思います。
 コツコツ続けることで、人間はいくつになっても勇気を持ち続けることができますし、何歳も若返ることができるんです。



Copyright (c) 2005 Geibunsha. All rights reserved.